リフォーム施工業者への見積もり出す時に、知っておくべきこと
目次
増改築・リフォーム工事の特徴と見積書のあり方
増改築・リフォーム工事は新築工事にくらべて、施工規模や条件が様々で変化が多いこと、さらに施工部分が隠されている場合があり、壊してみないとわからないこともあって、コスト把握は「難しいJrやってみないとわからない」と、よく言われます。
しかもこうしたウヤムヤとした状態が「それで仕方がないものだ」という、なんとなく是認されたような状態にあることも事実のようです。
こうしたことを背景に、実際の発注者・受注者間では、様々な問題・トラブルが発生し、はなやかな表面的な関心による、増改築・リフォームブームとは逆に、実務面ではこうした費用に対するウヤムヤさの解消、施工内容とコストに対する意識が高まってきました。
- 壊してみないとわからないことが多く、見積りが難しい
- 工事途中に変更となることが多い
- 施工規模が小さいことや、日常生活の中での工事のため、効率的な施 工ができず、コスト高になり、儲からない
- 多業種、短期間の工事のため、各職方の日程調整が困難
- 費用の見当がつかない
- 費用が適正なのかどうか判断できない
- 費用が当初の予定をオーバーする
- 工事中の日常生活が不便
- 不良施工や想像していたイメージと異なり仕上りに不満
などが上げられます。増改築・リフォーム工事に対して、発注者・受注者双方の不満あるいは不安として、以上のことが取り上げられていますが、いずれも費用、施工面での実務上の問題が多いといえます。
わかりやすく、早くでき、変化に対応できることが大切
増改築・リフォーム工事の見積りも建築工事の一つの形態であり、基本的には新築工事と変りませんが、増改築・リフォーム工事であることによる様々な特性があり、そうしたことが見積書作成に反映していないため、発注者、受注者双方に、費用や施工内容に対する不安や不満、そして不信感を生ずる結果となっています。問題点を整理すると次のようなことが背景にあります。
- 増改築・リフォーム工事に関する見積りの基準がない。
- 見積り項目の見落しゃ、変更工事が多い。
- 調査点検、解体撤去、仮設・運搬、下地補修といった完成時には形として残らない、見えない部分の費用が多し発注者が費用を理解しにくい。
- 客観的な判断データが普及していないため、発注者、受注者ともに見積り額について自信がもてない。
以上の背景にある増改築・リフォーム工事の特徴には2つの側面があります。
その一つには発注者が一般の消費者であることであり、今一つには増改築・リフォーム工事そのものの特殊性です。前者は新築工事にくらべ、発注者が建築に関して素人の立場にある一般消費者が多いということです。
つまりマンシヨン等の集合住宅や戸建て分譲住宅の新築時の発注者が専門家であることや、戸建て注文住宅の場合も設計事務所がユーザーの立場を代行していることが多いのに対し、増改築・リフォーム工事の場合は、直接その住まい手である一般消費者が発注者であることがほとんどです。
このことによる見積書作成上に必要な役割は少なくありません。また後者の工事そのものの特殊性による留意点、および見積り上の課題も数多く指摘されているところです。
つまり、
- 施工規模、施工条件が様々で、変化が多いため、統一的な見積り基準が立てにくい。
- 工事中に工事変更となるケースや日常生活の中での施工など制約が多いが、これらの部分のコストについて、説明や理解を得ることが困難。
- 現場を直接見たり、解体しないとわからない部分が多いため、事前の費用提示に確信がもてず、はっきりした費用提示がしにくい。
さらに両者の中間的な背景として、不良施工という課題があります。ユーザー側で工事計画を立てる場合、施工内容についての知識が乏しいことや施工内容と費用との関係がわからないため、仕上がりのイメージだけで依頼し、単に見積額が高いか安いかだけで判断されるという懸念があります。
こうしたことに起因して、良心的な施工水準が維持できなくなれば、業界全体のイメージダウンにつながりかねません。スーパーの目玉商品のような、常識外れの安い費用を売物にした宣伝や取付費サービスといったチラシ等を見かけることがありますが、ユーザー側に間違ったイメージを与えないためにも避けたいところです。
見積書に必要な役割とあり方
増改築・リフォーム工事の見積りに対する課題や特殊性から、必要な要件を整理すると次のようなことが言えます。
- 建築の専門家だけでなく一般消費者を含めて、発注者・受注者聞の共通の言葉としての見積り資料を整理する必要がある。
- そのためには一般消費者にもわかりやすい内容であること。
- 見積書の書式としては、早く書け、しかも変化(変更)に対応できることが望ましい。
つまり客観的な目安となる見積り基準の整備、発注者と受注者聞の理解を助ける共通の言葉、基準づくりが必要なわけですが、そんなに簡単なことではないようです。
これまでそれぞれの立場で様々な工夫、経験的な方法、考え方で、試行錯誤の段階にあると言えますが、こうした内容の体系化が進み、増改築・リフォーム工事のわかりやすい見積り基準ができることが望まれているところです。
現状での見積りの考え方
増改築・リブオーム工事の見積りは、それぞれの立場で様々な経験的な方法で行なわれていますが、整理するとおおよそ次のようになっています。
- これまでに経験した工事費を分析して、その部分別の工事単価や構成比率を参考にする。
- 新築工事費の労務費部分を、作業内容に応じて割増し、割増し率を推定し、使用する。
- 新築工事費を分析し、部分別に類似データを積み上げる。
- 材料費の小口価格と割増しした労務歩掛りを積み上げ、計算する。
- その都度、専門業者から見積りをとる。
このような考え方、あるいはいくつかの考え方を組み合わせて行なわれているのが現状です。それぞれの考え方や方法について、情報交換の場があるわけではありません。
お互いがお互いの方法について何らかの不安感をもって見積り業務を行なっているのが現実で、経験・事例を多く積んだところほどある程度の自信をつけてきているようです。
ただその場合も、自社で事例の多い工事内容についてであり、全体としては、やはり今後、統ーした見積り体系・基準づくりとその普及が望まれるところです。
増改築・リフォーム工事の見積り基準も、新築工事の見積り基準が当然ベースになりますが、その検討にあたっては
- 新築工事の見積り基準と、どこがどう違うのか。
- 労務歩掛りの割増しを、どの程度の施工規模を基準とするのか、それをどう把握するか。
- 取り引き価格としての複合単価(施工単価)、実証的な歩掛りデータ、理論的な原価分析による積み上げ計算基準という3つの方法を、それぞれの工事(工種)分野ごとにどう使って行くのが合理的な方法なのか。
- 一定の施工水準を確保するために施工基準をどう設定し、費用との関係を含めて、その内容をどう普及させて行くか。
などをつめていくことが必要です。まだまだ増改築・リフォーム工事の見積り基準を体系化して行くには、実証的な検討や観測調査による計測の積み重ねが必要な部分も多く残されています。
以上のような課題が残されていますが、現実の業務の中では不完全ながらでも、一応の体系を推測によって設定し、利用していかなくてはなりません。現状の中でとくに増改築・リフォーム工事の見積りに必要な要件として、次のような点を考えることが大切です。
①わかりやすい内容であること
直接一般消費者と施工業者との関係になることが多いことや解体撤去、養生費など後に残らない工事が多い、施工規模、施工条件が多様で他の工事事例との比較ができないことが多いなど費用の内容がわかりにくいだけに、できるだけわかりやすい表現が必要です。
一式計上に逃げず、できるだけ見積りの基本である「数量×単価jという表現を工夫したいものです。数量を面積、容積という単住にこだわらず、カ所、日数などを工夫することで大分違ってきます。
またわかりやすいということを、詳しい説明になっていることと誤解することがありますが、詳しすぎないということも含めて考えたいものです。
②早く見積りができること
故障や破損が発生しての修繕工事では、見積りが後回しになり、工事が先行することがあります。こうしたケース以外でも一般に見積り業務にそんなに時間をかけられないのが普通ですから、早くできるということが要求されます。
見積り方法も正式な詳細見積りだけにこだわらず、打ち合せ段階、計画段階などで必要な、概算見積りの手法も含めて早くできるということが必要です。
③変化に対応できること
増改築・リフォーム工事では新築工事以上に、施工段階での変更が多いものです。
施工上の都合による場合と発注者側の都合と両方がありますが、見積書の内容ができるだけこうした変更に対応できるものが望ましい(数量×単価という表現や部位別書式など、変更の結果、費用がどう変るかの判断がしやすい書式)。さらに工事変更のための書式を用意しておくことも必要。
④見積りの段階に応じた書式であること
増改築・リフォーム工事の相談から契約、さらに変更までの各段階で費用との相談になります。その都度必要な見積りをすることになりますが、施工内容が固まっていない段階で、時間をかけて詳細な内訳明細書を作成しでも無駄が多い。概算見積書で施工内容を詰めて行き、契約段階で内訳明細書を提示するようにします。
⑤新築と異なる(かくれた)部分の説明が明確になっていること
増改築・リフォーム工事の見積りで新築工事と大きく異なる点に
- 足場、養生、安全対策など仮設費のウェイトが高い
- 施工規模、施工条件などに制約を受け、効率的な施工方法が取れないため、割高単価になることが多い
- 取り合い部分、下地処理など見えない部分の費用
──などがあります。こうした部分の費用説明は難しいだけに一式計上ですます傾向と手抜き工事をし、ユーザーに不信感を持たれる部分でもあります。施工方法の打ち合せ、説明と合わせて見積り上でも、できるだけ明確な表示をしたいものです。
⑥施工水準の確保
受注競争の結果、安値受注をし、手抜き工事・トラブルという結果は論外ですが、ユーザー側の予算の都合もあることですから、できるだけ効率的な施工と経済的な見積額を提示することも必要なことです。
一定の施工水準を維持するためには、適正な費用で効果的な施工をするという工夫か望まれます。このためには豊富な商品・施工方法の知識と経験がものを言いそうですが、見積り時にあまり無理をしないで、施工水準の確保を優先するという姿勢も大切です。
見積り時点で必要な見積り項目の見落しがあったため、追加請求となりユーザーの不信感を招いたり、施工水準を落とすという事例も多いものです。
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