どうして空き家は増え続けるのか?空き家の発生とその対策
少子超高齢社会で、空き家率が上昇する問題とは
空き家が増え続ける社会情勢の変化
日本の社会は、戦後の混乱期より高度成長期を経て、バブル経済に突入し、少子超高齢社会を迎えました。
65歳以上の高齢者の総人口に占める割合が、25%を超え、世代的、地域的人口分布のアンバランスを抱えている現在、家を所有することは、かつてはステイタスでしたが、今は負担になるという意味で「負動産」と呼ばれ敬遠されるほどになりました。
空き家問題と条例、法律制定の経緯
複数の研究機関の調査で、将来の空き家の数を予想しています。
株式会社野村総合研究所のレポート
既存の住宅の除去や、住宅用途以外への有効活用が進まなければ、現在13%である空き家率が2033年には、30.4%に上昇すると予想。
富士通総研・研究所の研究レポート
新築着工数を半減し、空き家の除去を増加したとしても2028年における空き家の率は上昇してしまう。
空き家は防災、防火、防犯、衛生、環境など様々な点で多大な問題を抱えており、 また相続などの手続を行っていないケースが多いのが現実です。
すぐには空き家の所有者が特定しにくいことが空き家を原因とする問題の特徴の1つとして挙げられます。
この空き家を原因とする問題は、所有者を特定すること1つをとっても、時間的、金銭的に負担となる要素を多く含んでおり、当事者や自治体、コミュニティの力で迅速に解決するには限界がありました。
都市部と過疎地の空き家の違い
また、 この問題のもう1つの特徴は、人口が流入し続ける大都市、人口が流出し続ける過疎に悩む地域、様々なコミュニテイに共通する問題であることが挙げられます。典型例としては流通性の低い土地上の建物に関するものです。
大都市圏では、戦前、戦後の間もない時期に建てられた古い家屋が、耐震強度や接道に関して現行の基準にそぐわず建築基準法等の問題で建て替えることができず、結果として買い手が見つからないというような例があります。
空き家問題へのこれからの取組
空き家問題と所有者不明土地問題には、その発生原因と問題の性質に共通点があります。その発生原因に関してはいずれも「相続」と密接に関連していること、問題の性質に関する共通点としては、管理にコストがかかる流通しにくい不動産であることが挙げられます。
また、戦後の復興期、高度成長期、それ以前の時代において先人の多大な労苦をもって獲得した建物・土地に対して、関心が低い相続人が増えていることも相続手続が放置される遠因となっているかもしれません。
空き家問題と所有者不明土地問題について取り組むことは、家族や地域の歴史と向き合うことであり、過去から現在そして未来へとバトンをつないでいくための現在の我々の重要なつとめです。また、空き家の問題等をきっかけにして「自分たちはどのような街に住みたいのか」を住民一人一人が改めて考えるチャンスでもあります。
さらに、不動産の利活用の促進、相続登記等、様々な手続を通じた、関係省庁、市区町村、各業界団体を始めとして官民一体となった、 日本の国土への取組であり、 日本の将来の国づくりの大きなステップになると考えられます。
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