今すぐ売却した方がいい「家」 4つの要素
今すぐ手放すべき戸建ての4つの要素
①旧耐震基準の戸建て
まずは旧耐震基準の戸建てです。
耐震基準については前節で説明しましたが、マンションと同様に、新耐震基準(1981年6月1日)より前に建築確認を受けて建てられた戸建ても、市場では価値が低いと判断されます。
耐震補強工事をすることもできますが、1000円以上の費用がかかることもあり、実際にできる人は多くはないでしょう。旧耐震の戸建ても将来的に住宅ローンを受けにくくなる可能性が高いので、もし買いたいという人がいるのであれば、早めに売ったほうがいいでしょう。
②違反建築の戸建て
次に、違反建築の物件です。違反建築(違法建築)とは建築基準法や都市計画法などの法令・条例に違反して建てられた建物のこと。家を建てる際には必ず建築確認を受けなければなりません。そして建物を建てた後は完了検査をして、「建築確認の通りに建てた」ことを証明するものとして検査済証を取得することになっています。現在は、検査済証がない新築住宅は住宅ローンが受けられないことが多いので、9割以上の物件で検査済証を取得しています。しかし、かつては検査済証がなくても住宅ローンを受けられたので、ほとんどの人は取得せず、1998年においては4割程度でした。しかも古くは、建築確認を受けた後に、建ぺい率や容積率の基準を超えて大きな建物をつくったり、斜線制限(建物の高さに関する制限)に抵触する建物をつくるといったことが当たり前のように行われていました。その結果、違反建築の建物が増えたということです。
建ペい率とは敷地面積に対する建築面積の割合のこと。容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合のこと。図に例示していますが、このようなそれぞれの土地に対する建ぺい率と容積率は都市計画法で決められています。
実際、建ぺい率・容積率をオーバーしている違反建築の中古戸建ては数多く存在しています。現在、すでにそうした違反建築物件では住宅ローンが借りづらくなっており、その厳しさは今後さらに増していくことが予想されるため、違反建築の戸建てを持っているなら、速やかに売却することを検討したほうがいいと言えます。
また、新築時に検査済証を得ていないと、後から再発行してもらうということはできませんので、検査済証のない戸建てについても、ずっと住み続ける意思がないのであれば、早めに売却を検討したほうがよいかもしれません。
③都市部で駅徒歩15分以上の戸建て
マンションほどではありませんが、戸建てでも立地は重要です。駅から近い物件が求められます。地方の完全なクルマ社会になっているようなエリアでは別ですが、一般的な都市部なら駅徒歩15分よりも遠い物件では、取引される例が極端に少なくなります。
高齢化が進み、住宅に求められる駅からの距離は、どんどん短くなっています。駅から遠い不便な物件ほど、その市場価値が落ちていきやすくなりますので、こちらもずっと住み続ける意思がないのであれば、速やかに売却を考えたほうがいいと言えます。
④災害リスクがある戸建て
昨今、「住宅の買い方」といった本には必ず、災害リスクについての記述があります。自治体のホームベージに行き、自分の買おうとしている物件を「地震の揺れやすさマップ」「災害ハザードマップ」などで確認し、リスクが高い場所に立地しているのであれば買うのを避けようという内容です。
東日本大震災以降、災害リスクに対する意識は高まっているので、住宅を買おうとする人の多くが、災害リスクについてチェックしています。災害に遭う確率がかなり低いとしても、災害ハザードマップの「リスクのある地域」に含まれているというだけで、売りづらくなることもあります。
また、ゲリラ豪雨に代表される水害もリスクに含まれます。各行政から公開されている「水害(洪水)ハザードマップ」もチェックが必要でしょう。今後もこの災害リスクが重要となる傾向は強くなっていくと考えられます。こうした災害リスクが高い地域に住んでいる場合も、早めの売却を検討したほうがいいと言えます。
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