不動産業者にマンションを直接に買取ってもらうメリット・デメリット
近年、中古マンション業界でも買い取りを行う不動産業者が増えています。
通常の不動産売却は、不動産会社に売り手が仲介を依頼して、インターネットなどの宣伝活動をすることによって、買い手を見つけて、売却するという流れになります。
これと違って、「買取り」は不動産会社自身が直接、買取りし、リフォームして付加価値を付けて第三者に売りに出すことになります。
参入障壁が低く、買取事業を手掛ける会社は増える一方です。そのビジネスモデルは「マンションを安く買って、高く売る」と、いたって簡単、明快です。買い取った後の付加価値として、数百万円をかけてマンションをリフォーム(大体がフルリフォーム)します。
マンションを業者に買取のメリット
売主さんにとって買い取りのメリットは、大きく5つあります。
- 他人に知られることなく売却できる
- 数日で売却できる(入金がある)
- 瑕疵担保責任という責任を売主さんが負う必要がない
- 場合によっては仲介手数料が無料になる
- 売るためにリフォームする必要が一切ない
通常、売却した場合、売却期間は2ヶ月から3ヶ月程度かかりますから、すぐお金が欲しい人にとって買い取りはうれしいシステムでしょう。
「暇庇担保責任」は、簡単にいえば「売った後に何か不具合があっても、売主さんが責任を負担する必要はない」ということです。不動産を売却した場合、売主さんが取疲担保責在を負うのが一般的です。
買い手が購入してから一定の期間内に、給水管が壊れたり、水漏れしてしまったりすると、売主さんが費用を負担する必要があるのですが、買い取りではその責任を負担する必要がなくなります。なぜなら、買い取る側は通常、不動産業者(プロ)だからです。
築年数が古いとなかなか売れないため、「やはりリフォームをしないとダメだ」と考えがちです。先に述べたように、売主さんが(素人ながら)リフォームしたところで高く売れません。これをプロが安く買い取ってリフォームし、高く売るという事業が「買い取り」です。
マンションを業者に買い取ってもらう場合のデメリット
では、売主さんにとって買い取りのデメリットは何でしょうか?
答えは明確で、「価格が安くなる」です。買い取り金額は、一般的な「相場」といわれる売買価格の70%~75%%です。3000万円で売れると思われている物件であれば、2100万円~2250万円ということになります。なぜこんなに安くなってしまうのかといえば、買取会社の利益が乗っているからです。
買い取りというのは下取りではありません。下取りといえば車ですが、車の場合、販売庄の販売台整夫績や、実質の値引き分などもあり、下取りに出すほうが市場で売却するよりも高い価格だったりします。
これに対し、不動産の買い取りをする会社は、シンプルに転売益を狙っています。ですから、転売にかかる諸経費や利益を計算すると、相場の70~80%程度になってしまうのです。
「誰にも知られず」「早く」「この期日までに」売却しなくてはいけないという人以外は、安く売却する理由はないでしょう。
買い取りが適している物件、適していない物件がありますが、売主さんと買主さんの両方にメリットがある買い取りもあります。
たとえば、次のような物件です。
- 築35年~40年のマンションの部屋
- 火災など事故があった部屋
- 室内の状態が著しくひどい(汚れている、壊れているなど)部屋
そのままの状態では買い手がつきづらく、売るためにはお金をかけて手を加える必要があるような物件です。
フルリフォームする場合の内容では、キッチン、ユニットパス、トイレ、フローリング・畳の更新、ドアなどの建具交換、古ければ給排水管の交換などです。
仕様にもよりますが、個人が3LDKのファミリーマンションをフルリフォームする場合、600万円~1000万円程度かかります。しかし、名致の工事を発注している買取会社が行えば、リフォーム費用はもっと安くできるのです。
「築年数があまりにも古すぎて、そのままではとても売れない」という物件の場合、個人がリフォームをして売るよりも、買取会社に現状のまま売ってしまったほうが有利なことが多いのです。
たった1分程の入力で、最大6社から無料で査定を受けることが可能。
1社のみに査定を依頼して売却を進めることがありますが、不動産会社によって査定額はまちまち。300万円~500万円、それ以上違うことも普通。複数社の査定を行うことは必須です。